Building a House

平面図を受け取ったら自分で3Dモデルを作ってみよう

2011/1/14 01時58分40秒 [設計] 固定リンク

平面図注文住宅の場合、建築士さんと何度もやりとりをしながら、家の設計を決めていきます。

基本設計の段階では、建築士さんとの間の「共通言語」は平面図と立面図という2種類の二次元図面。平面図から屋内の間取り=インテリアを、立面図から外観=エクステリアを脳内に投影して、ああでもない、こうでもない、と代案を出したり修正を重ねたりしていきます。

しかし、二次元の図面から三次元の仕上がりを想像するのは、図面を見慣れている人ならともかく、なかなかむずかしいものです。
そこで、私はいただいた図面からCGで3Dモデルを作って検討しています。




 

Google Sketchup でエクステリアを描く

3DのパースをCGで作るというと大がかりなものを想像するかもしれませんが、実は無料ソフトでかなりのレベルのものができてしまいます。

使っているソフトは Google Sketchup というやつ。無料ソフトですが、もともと500ドルぐらいで売っていた 3D CAD ソフトを Google が会社ごと買収して、機能を少しだけ削った簡易版を無料で配り始めたもの。普通の住宅のモデルを作るぐらいなら十分な機能が詰まっています。使い方が直感的で、それでいて、精密な数値を打ち込んで製図することもできるスグレモノです。

この外観図では、まず外形寸法の輪郭線を引いて、それを引っ張ったり伸ばしたりしてハコを作りました。そのあと、Google の無料3Dギャラリーからドア、ガラス窓、ベランダのアクリルのパーティション、クルマなどを配置しました。3Dギャラリーには、世界中の人が作ってアップロードした部品が大量にあるので、似たようなものをダウンロードしてちょっと加工するだけでたいていの用は足ります。

Sketchup はどちらかというとエクステリアを描くのに向いていますが、慣れればインテリアにもかなり使えます。

インテリアにも使える

右の図は、Sketchup で描いた2階リビングルームのレイアウトをいじっているところ。

最初は右側にある階段の下り口にガラス引き戸はなかったのですが、こういう構造だと開口部から空気が流れるため空調が効かなくて困るという体験談を知人から聞いたため、天井から吊る可動間仕切りをつける検討をしているところです。
引き戸を1枚にして、階段脇の腰壁を天井まで伸ばす図面をいただいたのですが、そうするとせっかくの開放感が殺されてしまうため、腰壁に戻して引き戸を2枚にするという代案を描いてみたところ。
こういうのは我々素人は平面図からはなかなか想像ができませんが、三次元のモデルにしてしまえば一目瞭然。モデルを画面上でぐりぐり回して、いろんな角度から眺めた姿を確認できます。

インテリアの作図は、少しお金を払うとさらに使い勝手よく、こまかい検討ができるソフトもあります。私が使っているのは、インテリア プロという Macintosh 用の専用ソフトです。日本の代理店であるインフィニシスという会社が日本語化、販売しています。

インテリア プロ 4.1 で内装を検討中

このソフトはその名の通りインテリア専用のCADソフトです。
平面図を入力して窓、ドア、家具などを配置して作図します。こちらは、照明の具合などまで細かくシミュレーションできるので、よりリアルなインテリアのイメージをレンダリングできます。

元がアメリカのソフトのため、添付のライブラリにある家具の部品などがアメリカンなものばかりで使いづらかったのですが、このバージョンから Google の 3Dライブラリの部品をインポートして使えるようになったので、部品の入手は Sketchup と同等になりました。
ただ、残念なことにできあがったモデル全体のファイルは Sketchup とは互換性がありません。

どちらのソフトも、製図の基本的な知識がある人なら、少し練習すれば簡単に使えると思います。最初は、たとえばエクステリアならファサードだけとか、インテリアなら四角い部屋ひとつからとか、小さな部分から試しに作ってみるといいと思います。
身近に建築やインテリアを勉強している学生さんなどがいる方は、図面を渡してアルバイトでモデルを作ってもらうのもいいかもしれませんね。

こうやって3Dのモデルを見ながら検討すると、検討の精度とスピードが飛躍的にアップします。結果として何度も突っ込んだやりとりができるので、納得のいく設計ができます。おすすめです。

2011/1/14 01時58分40秒 by owner

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