プロジェクターを天吊りにしました。
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石膏ボードとソーラトンを貼る前の天井の様子。補強材が見える。 |
地下オーディオルームの天井は、梁の間を吸音用のグラスウールで埋めて、梁の上に音パットを挟んで石膏ボード、その上の天井表面に岩綿吸音天井板のソーラトンが張ってあります。
石膏ボードとソーラトンではプロジェクターを吊せる強度がないので、プロジェクターの位置あたりだけ、厚さ5センチぐらいの角材を敷き詰めて補強しておいてもらいました。この角材にプロジェクターを吊る金具をコーススレッド(木ねじと3寸釘のあいのこみたいなやつ。トンカチで打ち付ける代わりにインパクトドライバでねじ込みます)か何かで取り付ければいいと思っていました。
天吊り金具は、韓国のEXZENというメーカーが作っているシンプルで強そうなものを見つけました。たいていのプロジェクターに合わせることができ、25Kgの重さのプロジェクターまでOK。検討しているプロジェクターはたかだか10Kgぐらいなので楽勝。
しかも、この金具、eBayで30ドル以下。日本でも楽天などで5000円ちょっとで手に入ります。
ところが、某オーディオ評論家の友人がプロジェクターを買い替えるので、お下がりを安価で譲ってくれることになり、期せずしてソニーの VPL-VW200 という本格的なプロジェクターを吊すことになりました。本格的なのはいいのですが、重量約20Kg。そんな重たいものを木ねじの親玉ぐらいのもので止めておいて大丈夫な気がしません。
心配になって調べてみたのですが、コーススレッドねじの引き抜き強度とか、ネジのアタマの強度とかの資料がみつかりません。
友人の建築家に言わせると、地震の揺れなどを考えると、横方向に1G(つまり、自重と同じ20Kg重)の力が掛かっても大丈夫なようにブレース材をつけるか鋼材で止めろ、と言います。
こんなことなら、最初から天井にアンカーボルトを出しておいてもらえばよかったと思っても後の祭りです。
さて、どうしよう。
なんちゃって石井式のオーディオルームですが、床の作りも石井先生の教えに忠実に、カチカチの固い床を作ります。
床のベースは地下室の駆体を作っている鉄筋コンクリートのスラブ。その上にセルフレベリング材を流して固めて、床の不陸(ふろく。デコボコのこと)をならしてありますから、その上に直貼りできるフローリング材を貼っていきます。
直貼りできるフローリング材の選択は以前書いた記事でも悩んでいたのですが、千葉の以奈場木材さんが扱っている直貼り用のケンパス、無垢の一枚板にしました。
ケンパスというのはマメ科の南洋材で、線路の枕木なんかに使われる素材。固くて比重が重いので振動を抑える効果は抜群。湿度による伸縮もそんなに大きくないので、湿度の影響が未知数の地下室の直貼りでもちょっと安心。見た目は少しカリンに似ていますが、カリンよりグッとお安く、特価ですが平米あたり5000円以下という、超お手頃価格がうれしい。
さて、素人がフローリングに初挑戦です。
トラブル発生です。
ちょっと前の記事に書いた、石井式「風」リスニングルームの吸音壁。
記事を書きながら、なんで壁の後ろに横一文字に並んでいるはずの横胴縁が開口部から見えていないんだろうと不思議に思って、確認してみたら、なんと横胴縁ではなく縦胴縁を作っていたことが発覚。
つまり、開口部から入った音は横に吸収されずに、すぐに縦胴縁で遮られてしまう構造。これじゃ、まったく意味がありません。
本当なら、壁をはがして胴縁から作り直してもらいたいところですが、それだと大工事。次善の策として、開口部と開口部の間の部分の壁を鋸で切って外し、大きく開けた穴から縦胴縁を外し、横胴縁を入れ直してから、外した部分の壁をはめ込み直すという改修をしてもらうことに。
せっかく綺麗に仕上がっている目透かし張りのシナベニヤの壁が鋸目だらけでつぎはぎになるのが残念。泣きたいです…
オーディオルームの壁は、反射面と吸音面が交互に並んだような配置にしてあります。松下電器で長年スピーカーシステムやアンプを設計してきた石井伸一郎さんの石井式リスニングルームの作り方を参考にしました。
反射壁は12.5ミリ厚の石膏ボード2枚を目違い貼りにした上にシナベニヤを目透かし貼りしたもの。吸音用の穴があけてあります。開口部から入った音を反射壁の裏のグラスウール層に回り込ませて吸音するしくみです。
地下室は天井高があまり取れないので、床面と天井の間の反響音による定在波が心配です。そこで(これで正しいのかどうか、不安はありますが)天井面には日東紡から吉野石膏に営業譲渡されたロックウール化粧吸音板のソーラトンと石膏ボードを全体的に二重貼り、ところどころに開口部を作ってその上に張り詰めたグラスウールに吸音させるようにして、デッドに仕上げました。擬似的に天井高を高くしたような効果を狙っています。
地下の小さなオーディオルームの壁際には、プロジェクター用の巻き上げスクリーンを取り付けるスペースを作りました。
天井の中にスクリーンボックスを埋め込んで、スクリーンの投影面を天井いっぱいまで取れるようにすることも考えたのですが
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ちょうどこの位置が1階の排水管などの関係で下がり天井になっている
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天井にスクリーンボックスを埋め込むと、その部分の吸音材が少なくなるので、音が抜けやすくなる
という理由で、天井の面から下に20センチ程度の垂れ壁をつけてもらいました。
地下室には私の工作室兼仕事部屋とオーディオルームを作ることにしました。
オーディオルームやホームシアターを作る際の音響についての配慮について少し書いていこうと思いますが、今日はその1。防音工事の種類と意味の違いについて。一言で防音工事と言いますが、リスニングルームの音響工事には大きく分けて二つの種類があります。
ひとつは防音、あるいは遮音。部屋の中で大きな音を立ててもいいように、また、逆に外の騒音が音楽の邪魔にならないように、部屋の外と中の間で音が漏れないようにする工事。
もう一つは吸音。部屋の中でスピーカーから出た音が適度に反射され、でも反射されすぎてビンビン鳴ってしまわないように、壁や床や天井の音の反射と吸収をコントロールする工事です。