ローンを組んで土地の購入から建物の建築までを一気に行う場合、気に入った土地が見つかってから施工業者を探し始めるのはロスがあります。
土地を手に入れた時点で土地購入資金の借り入れが発生しますので、その時点から土地代金分の利息支払いが開始されます。家ができあがるまでの期間が延びれば、延びただけ利息の支払いが余計に必要ですし、もし今住んでいる家が借家だったり、持ち家でもローンが残っている場合は、竣工までの間は家賃やローンの支払いに加えて土地の利息支払いがダブルで必要になるのです。
ですから、土地が見つかったらできるだけ短い期間で建物に着工できるように、土地探しと並行して施工業者さんの選定と見積もりづくりを進めておくのがよいと思います。
土地探しがスタートした時点でターゲットの土地の広さは決まっているはずです。独立した建築家に設計をお願いする場合は建築家に仮の基本プラン(間取りの平面図と立面図ぐらい)を描いてもらって、それをもって工務店やハウスメーカーの候補に見積もりを依頼します。
ハウスメーカーに設計も任せる場合は、住宅展示場やショールームを訪ねて、気に入ったポイントがあれば、イメージしている土地の場所や広さを伝えてプランを出してほしいと依頼します。するとハウスメーカーの建築士さんとの住みたい家のイメージなどの打ち合わせを経て、ラフなプランが出てきます。だいたいこの時点で、自分が住まいに対して持っている考えなどをきちんと聞き出して形にしてくれそうかとか、自分との相性が良さそうかなどが分かってくると思います。
土地は出てきた売り物の環境や価格は変えようがなく、それを受け容れるかどうかを判断するしかありません。いっぽう、上物は買うことを決めた土地に課せられた制約条件の中で良いと思う物を作り上げていくことになります。
最善と思うものを形にできるかどうかは、自分と建築家さんや施工業者さんとのコミュニケーション、そして、建築家さんと施工業者さんのスキルに大きく左右されますから、納得がいくまでよく検討すべきだと思います。