オーディオルームの壁は、反射面と吸音面が交互に並んだような配置にしてあります。松下電器で長年スピーカーシステムやアンプを設計してきた石井伸一郎さんの石井式リスニングルームの作り方を参考にしました。
反射壁は12.5ミリ厚の石膏ボード2枚を目違い貼りにした上にシナベニヤを目透かし貼りしたもの。吸音用の穴があけてあります。開口部から入った音を反射壁の裏のグラスウール層に回り込ませて吸音するしくみです。
地下室の外周の鉄筋コンクリートの壁は、工藤建設の標準工事だとその上に縦胴縁、胴縁の間には硬質ウレタンフォームを充填、胴縁の上に石膏ボードの壁でクロス貼りです。
この部屋では、硬質ウレタンフォームと縦胴縁までは標準工事と同じで、その上に横胴縁を渡して、横胴縁の間に32Kのグラスウールを詰めて吸音層にし、横胴縁の上に穴を開けた反射壁を取り付けた構造です。右は上から見た図。
本当の石井式では縦胴縁の間が硬質ウレタンフォームではなくグラスウールなのですが、そこはご愛敬(硬質ウレタンフォームは遮音性はありますが吸音はあまり期待できない)。
開口部にはグラスウールの表面を着色ガラスクロスで包んだマグボードをベルクロテープで固定する予定。
吸音壁のうち2面は上記の構造ですが、1面は裏がコンクリートではなく隣の部屋との間の間仕切り壁。この記事の下の写真に写っているツーバイフォーのスタッド(間柱)が並んでいる部分です(ちなみに、残りの1面は納戸への出入り口などがあるため、全面反射壁です)。
このスタッドの隣の部屋側の面は、石膏ボードの上に重量がある防音壁材料としてアメリカで普及しているホマソート 440 サウンドバリアーを重ね貼りして遮音壁にしてあります。
そして、スタッドの間にグラスウールの吸音層を作って、その上は他の面と同じ構造の横胴縁と反射壁(のはず)。
「石井式」を名乗れるのは、石井先生ご本人に監修していただいた部屋だけだと思うので、これは石井式にインスパイアされたというか、石井式リスペクトというか、石井式風というか、まあ、なんちゃって石井式です。
石井式リスニングルームの理論と実際は、オフィシャルサイトにも詳しく載っていますが、さらに詳しい解説と、具体的な施工法などの解説が満載の単行本「リスニングルームの音響学―シミュレーションと測定で徹底解析!」がたいへん参考になります。