先日、IKEAのExpedit(エクスペディート)という本棚というかディスプレイ棚を天井まで壁いっぱいに積んだ(記事参照)のですが、そのとき気づいた注意事項などを少々。
Expeditに限らずIKEAの家具は総じてとても重たいです。高さと幅が159センチの4×4マスのやつで60kgぐらい、5×5マスのやつだと90kgぐらいあるらしい。
このぐらいになると、買って帰るときにクルマに積み込むのも、平置きで組み立てた後にできあがった棚を起こして立ち上げるのも、一人だとちょっと(かなり)つらい。
そして、なによりも、これだけ地震がある国でこんなに重たくて背が高い家具を壁に固定しないで使うのは、文字通り自殺行為です。
IKEAの商品紹介ページにも
付属の壁用固定具で家具を壁に固定してください
壁面の材質によって異なるネジが必要です。取り付け壁面に適したネジを使用してください(商品には含まれていません)
本製品の組み立て作業は、2人で行ってください。
と、しつこく書いてあります。
というわけで、Expeditを壁に固定する方法。
上の注意書きにもあるとおり、壁に固定する金具が2つ付属しています。そして、その金具を取り付けるための穴も開いています。
金具を自分で用意したネジで壁に固定するわけですが、最近の普通の住宅の壁の場合、ツーバイフォーでも在来工法でも、石膏ボードの上に壁紙クロス(今回の場合は漆喰)が貼ってあるだけなので、こんなに重たい家具を支えられる強度がありません。
ですから、石膏ボードの裏にあるスタッド(間柱)まで届く長いネジで、構造材であるスタッドに締め付けます。
スタッドの位置を探すには、スタッドセンサーとか下地センサーという道具を使うと便利です。スイッチを入れてマウスを動かすように壁の上を横に滑らせていくと、下地があるところでLEDが光ったり音が出たりする機械。
うちにも10年ぐらい使っているZircon社のスタッドセンサーがあるのですが、なぜかこれが2、3日前から行方不明。
壁をコンコンと叩いていっても、音の変化でだいたいの柱の位置はわかるのですが、漆喰で固めた壁は音の変化がわかりにくく、間柱がない場所は確実にわかるのですが、間柱の真ん中あたりを確実に突き止めるは、ちょっと難しい。
石膏ボードをスタッドに留めたネジにすいつくマグネット |
で、どうしたかというと、冷蔵庫のドアについていた小さいマグネットを使いました。
漆喰の下の石膏ボードはネジで間柱に固定されています。以前の記事の、漆喰を塗る前の壁の写真で、白いパテの中に縦に通っているスジが石膏ボードのエッジ、その左右にところどころある小さい丸が石膏ボードを間柱に締め付けているネジのアタマ。
ネジのアタマがあるところには、磁石がくっつくので、手応えが変わってわかります。
この家の場合、フィートモジュールなので、スタッドが406ミリ間隔(尺貫モジュールの場合は455ミリ)で立っていますから、1カ所見つけたらあとは40.6センチずつ左右を探っていくと芋づる式に見つかります。
見つけた場所に鉛筆でマークをつけておきます。
次に、棚側に細工をします。
元から開いている固定具用の穴がたまたま壁の中のスタッドの位置に合っていればラッキー。でも、たいていずれていると思うので、スタッドにネジを打てる場所に金具の穴を開け直します。
Expedit の外枠の厚い板(に見えるもの)は、実は中まで詰まった板ではありません。棚板に比べてもずっと軽い。
IKEA EXPEDITの外枠の「板」の中身 |
どうなっているのか調べていたら、Expeditの板を切ってサイズを小さくするハックを紹介している記事がありました。Expeditはいじりがいがあるようで、あちこちのIKEAハック系のサイトにいろんな事例が載っています。
その記事によると、厚い板の中は外周2センチ弱ぐらいだけパーティクルボードで、あとはボール紙がハニカム構造になっている中空の構造。ネジが立つのはパーティクルボードが入っている外周部分だけ、ということがわかります。
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色を塗った部分だけネジが立つ |
Expeditを壁際に置いてみて、固定用金具をあててみて、スタッドにネジが打てて、かつ、Expeditのネジが立つ場所を選びます。
右の写真で、赤い色で塗ってある部分が中にパーティクルボードが詰まっていてネジが立つ部分。それ以外のところは中がスカスカです。
場所が決まったら、金具のねじ穴の位置を鉛筆でマークして、元の金具取り付け穴と同じぐらいの直径(4〜5ミリ)のドリルで同じぐらいの深さの穴を開けます。
固定具をねじで留めて、付属のカバーを付ける |
あとは、固定具を付属のネジで Expedit の外枠に固定し、壁側のネジを打ち込む場所にドリルで下穴を開け、裏のスタッドまで届く長いコーススレッドねじを打ち込みます。
棚一つに固定具が2つずつ付いてきますので、棚の上のほうを左右1カ所ずつ固定しました。
でも、コーススレッドねじ2本だけで壁に止まっているのは少々心許ない感じもします。
市販のL字金具とネジで何カ所か固定しようかとも思いましたが、付属の固定具はプラスチックカバーできれいに隠せるのにくらべてちょっとかっこ悪い。
固定具だけ別売りしてもらえないかIKEAに問い合わせてみたら、1階の返品カウンターに行けば固定具だけタダでくれるとのこと。
次回、追加の棚を買いに行くときについでにもらってきて、棚の下の左右2カ所ぐらいも同じように固定してしまうつもりです。