化粧合板の不自然な感じが好きでないので、床のフローリングはぜひ無垢材をと思っていました。しかし、ハウスメーカーのおすすめは合板やMDFに表面だけ銘木の薄い突板を貼ったもの。
無垢材は高いというイメージでしたが、国産材だと材料費だけで1㎡あたり7、8千円から、上等なチークやカリンだと1万円オーバー、ロシアの材木を中国で加工したような輸入材のナラとかカバだと3千円ぐらいから、というのが相場みたいです。同じ無垢でも一枚物は高くて、ユニといわれる縦や横に継いだ集成材だと安い。合板のちょっといいやつとそんなに価格は変わりません。
無垢材の弱点は施工の技術がいることと製品の安定性のようです。無垢材は季節によって伸び縮みするので、その分を逃がす「あそび」を持たせて施工しないと、板が伸びたときに反り上がったりします。施工業者の腕や製品のばらつきで、あとからクレームになるリスクを考えると、ハウスメーカーは品質が安定していて施工技術にも左右されにくい突板合板を選びたいみたい。
さらに、床暖房で下から暖めると一枚物の無垢材では反りや伸縮がどうしても避けられないようです。床暖房対応をうたっているものはたいてい複層合板に突板・挽板を貼ったもの(薄い板でもごく薄くスライスしたのが突板、製材機で挽き割ったのが挽板)や集成材だったり、芯までしっかり乾燥させる加工をしていたり、裏に溝を入れて反りを防いでいたり、もともと収縮が起こりにくい素材を選んでいたりします。なので、床暖房対応の無垢のフローリングは選択肢が少なく値段も高めです。